ニキビ跡で悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
ニキビ跡を薬で消すためには、美容皮膚科での診察が必要です。実は、ニキビ跡の治療は美容目的とされ、保険適用の皮膚科でのお薬だけでは治らないものと言われています。
そこでこの記事では、美容皮膚科で処方してもらえる皮膚科薬とその効果を紹介していきます。
ニキビ跡の治療に美容皮膚科での診察が必要な理由、美容皮膚科で処方してもらえる皮膚科薬まで、一緒に見ていきましょう!
ぜひ最後まで読んでください。
ニキビ跡を薬で消すためにはまず美容皮膚科での診察を
ニキビ跡を薬で消すためには、美容皮膚科での診察が必要です。ここでは、その理由について説明します。
ここで紹介する内容は次の3つです。
- 保険適用の皮膚科でのお薬では治らない
- ニキビ跡を消すには美容皮膚科での診察を
- オンライン美容診療なら手軽に薬を処方してもらえる
以下で、1つずつ詳しく見ていきましょう。
保険適用の皮膚科でのお薬では治らない
保険診療はその性質上、「すでにできてしまったニキビ」の症状を取って治すことが目的です。したがって、処方される薬は、抗生物質の塗り薬、毛穴の詰まりを取る塗り薬、抗生物質の内服薬、そのほか補助的に作用する漢方薬の内服薬、ビタミン剤の内服薬などです。
抗生物質は塗り薬も内服薬もアクネ菌に作用し炎症を抑えるように作用します。加えて、毛穴の詰まりを取る薬はニキビの主な原因が「毛穴が詰まること」であるため、詰まりを取ったり、詰まりにくくしたりします。
加えて、漢方薬の内服薬、ビタミン剤の内服薬が補助的に処方されることもあります。漢方薬の内服薬の処方目的はニキビができにくい体質への改善、ビタミン剤の処方目的は皮脂の分泌量調節、皮膚の健康維持です。ビタミン不足はニキビの原因です。
保険治療ではニキビの炎症を抑える、新しいニキビが出来ないよう予防することが目的で行われています。ビタミン剤の内服薬は一部のニキビ跡への効果が期待できますが、すべてのニキビ跡に対処できるわけではなく、したがって保険適用のお薬だけではニキビ跡は治りません。
ニキビ跡を消すには美容皮膚科での診察を
皮膚科と美容皮膚科は異なります。皮膚科が症状の治癒を目的としているのに対し、美容皮膚科の目的は症状の改善に加えて美しくなることです。
皮膚科は皮膚疾患治療のため保険が適用されますが、美しくすることが目的の美容皮膚科では保険適用外の場合が多いです。自由診療は全額自費なので、予算や要望で好みの治療を受けることができます。
ニキビ跡を消すには美容皮膚科での診察が必要です。と言うのは、ニキビ跡は、すでに治ってはいるけれども炎症が強かったために残っているクレーターや茶色の色素沈着などです。クレーターなどの肌の凸凹を治療したり、ニキビが治った後の色素沈着を薄くしたりするのは、「健康な人が若々しい状態を維持して、より美しくなること」、つまりは美容目的だからです。
ニキビ跡には下記の4種類があります。
【ニキビ跡の種類】
ニキビ跡の種類 | 生成理由 |
赤みを持つニキビ跡 | 肌のターンオーバーで徐々に薄れるが、二キビの炎症がひどいと血管が開いて赤く見えたり、炎症を起こした細胞が残ったりすることがある |
色素が沈着しているニキビ跡 | ニキビの炎症でメラノサイト(肌の中の色素細胞)がメラニン(シミの原因)を生成することでできたもの。肌のターンオーバーで薄くならず、ダメージの度合いによって残って排出させずに残ったもの |
凹凸ニキビ跡 | 赤みや色素沈着よりも重度。ニキビの炎症が皮膚の真皮にまで達し、真皮を破壊してしまうことが原因。その他、ニキビを潰すことも原因 |
しこり・ケロイドニキビ跡 | ニキビの炎症のダメージ部分を守ろうとしてコラーゲンを大量に作り、その繊維が癒着したために起こる |
いずれも急性期の炎症は治まっています。このうち、皮膚科で処方される薬で治癒する可能性のあるニキビ跡は、赤みを持つニキビ跡と色素が沈着しているニキビ跡のみです。ですので、他は美容皮膚科での注射や施術などの必要があります。
オンライン美容診療なら手軽に薬を処方してもらえる
ニキビ跡を消すには美容皮膚科での診察が必要だと分かってはいても、仕事などがいそがしくてなかなか病院やクリニックへ行けない人も多いかもしれません。そのような方や近くに美容皮膚科がない方にはオンライン美容診療がおすすめです。
オンライン美容診療では自宅や職場、ホテルなど自分の好きな場所や時間に携帯電話などを使ってインターネット上で診察を受けることができるので、忙しい生活の隙間時間を活用し受診できます。Webで24時間いつでも予約可能で、交通費も待ち時間も無しで診察できるので、今まで遠いという理由で通院できなかった方、美容診療のハードルが少し高かった方にもおすすめです。
美容皮膚科専門医の診察後、必要に応じて薬も処方されます。
気になる方はこちらの記事もチェックしてみてください。
美容皮膚科で処方してもらえる皮膚科薬
ニキビ治療は大きく急性炎症期の治療と維持期の治療とに分けられます。急性炎症期の治療は保険適用になりますが、維持期の治療やニキビ跡の治療は美容目的で保険適用外なので、全額自己負担となります。
美容皮膚科で処方してもらえる皮膚科薬にはどんなものがあるのでしょうか?
ここでは、美容皮膚科で処方してもらえる皮膚科薬を、外用薬一覧と効用、内服薬一覧と効用の順に見ていきましょう。
外用薬一覧と効用
ニキビ治療の最初はスキンケアです。そこでポイントとなるのが毛穴・皮脂分泌の環境、皮膚の乾燥、角化コントロール、常在菌の鎮静化などでしょう。適切な洗顔に加え、外用剤を使用することで多くの方は良好な結果が得られます。
美容皮膚科で処方してもらえる、皮膚科薬の外用薬としてここで紹介するのは5つです。
- オゼノキサシン
- アダパレン
- 過酸化ベンゾイル
- アダパレン過酸化ベンゾイル配合剤
- クリンダマイシン酸エステル水和物過酸化ベンゾイル配合剤
以下で、1つずつ詳しく見ていきましょう。
オゼノキサシン(商品名:ゼビアックス)
2015年に承認された、ニキビに適応を有する、国内3番目の外用抗菌剤です。
尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017において、炎症性皮疹にオゼノキサシンを含む外用抗菌剤は軽症から重症において、アダパレンとの併用も「強く推奨」です。耐性菌出現のリスクがあるため、使用期間は通常、3か月以内ですが、4週間の使用で効果が認められなかった場合は使用を中止します。
オゼノキサシンは、アクネ菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣに作用しDNAの複製を阻害することで抗菌作用を示します。
【オゼノキサシンの特徴】
使用時期 | 急性炎症期に単独あるいはアダパレンとの併用を行うこととなる |
特徴 | クリームとローションの2種類がある |
使用方法 | 洗顔後、1日1回布患部に塗布 |
副作用 | そう痒感・乾燥・適用部位刺激感など |
副作用への対処方法 | ー |
アダパレン(商品名:ディフェリン)
尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017において、炎症性皮疹の軽症から最重症のいずれにおいても単独、もしくは他の薬剤との併用が強く推奨されています。また、耐性菌出現の心配がないので、維持療法でも使用可能です。
アダパレンは、表皮細胞のレチノイン酸受容体に結合するレチノイド様物質であり、毛穴の詰まりを予防します。面皰(めんぽう)というニキビの初期症状に有効性が確立しています。
【アダパレンの特徴】
使用時期 | 面皰期、急性炎症期および維持期には単独あるいは他の薬剤との併用を行うこととなる |
特徴 | 抗生物質ではないので長期連用可能。外用抗菌薬や内服抗菌薬と併用でより高い効果を示す |
使用方法 | 洗顔後、1日1回布患部に塗布、就寝前 |
副作用 | 塗布部位の乾燥、紅斑、刺激感、瘙痒感など |
副作用への対処方法 | 塗布量、塗布回数を減らす、保湿剤の併用 |
使用上の注意 | 妊婦に禁忌 |
過酸化ベンゾイル(商品名:ベピオ)
アクネ菌に対して殺菌的に作用するほか、ピーリング作用もあり、面皰に対する有効性も示されているので、ニキビの予防効果もあります。また、耐性菌出現の心配がないので、維持療法でも使用可能です。
尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017において、炎症性皮疹の軽症から中等症においても単独、もしくは他の薬剤との配合ゲルが強く推奨されています。
漂白作用があり、衣服や髪につけると色が白くなります。寝る直前につけない、生え際などは避けるなどの注意が必要です。
【過酸化ベンゾイルの特徴】
使用時期 | 面皰期、急性炎症期および維持期には単独あるいは他の薬剤との併用を行うこととなる |
特徴 | 抗菌剤より高い効果 |
使用方法 | 洗顔後、1日1回布患部に塗布 |
副作用 | アダパレンと同様に塗布部位の乾燥があるが、軽度で頻度も少ない。まれにアレルギー性接触皮膚炎 |
副作用への対処方法 | 塗布量、塗布回数を減らす、保湿剤の併用 |
使用上の注意 | 漂白作用あり |
アダパレン過酸化ベンゾイル配合剤(商品名:エピデュオ)
アダパレンと過酸化ベンゾイルの合剤です。
特徴、使用方法などはアダパレン、過酸化ベンゾイルに準じます。
クリンダマイシン酸エステル水和物過酸化ベンゾイル配合剤(商品名:デュアック)
抗菌剤クリンダマイシン酸エステル水和物と過酸化ベンゾイルの配合剤です。
アクネ菌に対して殺菌的に作用するほか、毛穴の角質除去する効果もあるので、ニキビの予防効果も持っています。尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017では、「炎症性皮疹の中等症から重症において強く推奨」です。
特徴、使用方法などは抗菌剤、過酸化ベンゾイルに準じます。
【アダパレン過酸化ベンゾイル配合剤の特徴】
ニキビ治療での使用時期 | 面皰期、急性炎症期 |
内服薬一覧と効用
ニキビ治療の補助的内服療法には、ビタミン剤が使われています。しかし、各ビタミンのニキビに対する有効性を確認するための臨床試験は行われておらず、内服を推奨する十分な根拠は現時点ではありません。したがって尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017では、ニキビにビタミン剤の内服は「行ってもよいが、推奨はしない」となっています。
ビタミンは、バランス良い食事習慣で自然摂取可能ですが、不規則な生活などが続くような場合はビタミン剤摂取も選択肢になります。
ここで紹介するビタミン剤の内服薬は3種類です。
- シナール配合錠
- ノイロビタン
- ビオチン酸0.2%「フソ―」
以下で、1つずつ見ていきましょう。
シナール配合錠
シナール配合剤には、ニキビによる炎症改善やニキビ予防、シミ・そばかすなどによる沈着の改善や予防、肌にハリを出す、肉体疲労の回復などの効果が期待できます。適応症に炎症後色素沈着もあり、色素が沈着しているニキビ跡への効果も期待でき、保険診療可能です。
シナール配合錠の有効成分、飲み方は以下の通りです。
【シナール配合錠の有効成分、飲み方】
剤形 | タブレット型錠剤 |
飲み方 | 1~3回/日、1~3錠/回 |
有効成分 | 1錠中、アスコルビン酸200mg、パントテン酸カルシウム3mg |
ノイロビタン
ノイロビタンには、ビタミンB2やビタミンB6による肌のターンオーバー促進、皮脂の分泌抑制作用があるのでニキビ改善効果、ビタミンB6によるメラニン生成を抑制するL-システインを助ける作用、またビタミンB2やビタミンB6による肌のターンオーバー促進およびメラニン排出促進効果によるシミの対策や改善への効果が期待できます。
ノイロビタンの有効成分、飲み方は以下の通りです。
【ノイロビタンの有効成分、飲み方】
剤形 | タブレット型錠剤 |
飲み方 | 1~3回/日、1~3錠/回 |
有効成分 | 1錠中、オクトチアミン(ビタミンB1とチオクト酸が結合)25mg 、リボフラビン(ビタミンB2)2.5mg、ピリドキシン塩酸(ビタミンB6)40mg、シアノコバラミン(ビタミンB12)0.25mg |
ビオチン散0.2%「フソー」
ビオチンは、ビタミンHとも呼ばれ、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンです。アセチルCoAカルボキシラーゼなどの酵素の補酵素で、人間の体の中でアミノ酸や糖などの代謝を促し、エネルギーをつくりだすサポートをしています。
糖の代謝を助ける、皮膚・粘膜・髪の毛・爪の健康維持を助ける、皮膚炎を改善するなどの効果が期待できます。適応症にはニキビもあり、保険診療が可能です。
ビオチン散の有効成分、飲み方は以下の通りです。
【ビオチン散の有効成分、飲み方】
剤形 | 散剤 |
飲み方 | 0.5~2mg回/日、1~3回分服 |
有効成分 | ビタミンH |
まとめ
この記事では、美容皮膚科で処方してもらえる皮膚科薬を紹介してきました。
ニキビ跡を薬で消すためには、美容皮膚科での診察が必要です。ニキビ跡の治療は美容目的で保険適用の皮膚科でのお薬だけでは治らないからです。
美容皮膚科ではオンライン診療を行っているクリニックもあります。交通費、待ち時間のないオンライン診療ではお薬も処方してくれます。気になる方は、ぜひこちらの記事も確認してみてください。
よくある質問
皮膚科でニキビ跡の治療はしてくれる?
皮膚科ではなく、美容皮膚科での診察・治療となります。
ニキビ跡の治療は保険適用?
保険適用外となります。
ニキビ跡の治療とニキビの治療は一緒?
部分的に被るところもありますが、それぞれ専用の治療法があります。
コメント